友だちから諏訪湖の花火大会に行こうと誘われたのですが、私は現在、出会い系サイトに夢中で友だちの誘いは無視です。
ハッピーメールを利用して、セックスフレンドをゲットしたいと思っているのです。今年、そういえば何もしてませんし、そろそろ今年私が生きた足跡を残しておかなければならないいたたまれない気持ちになっています。かと言って私いい加減なセックスをする気はありませんし。
ハッピーメールで、どこの馬の骨だかわからないいい加減な出会いならいくらでもできると言いたいのです。セフレを求めているというものの、それほどボクはセックスを強く求めている訳ではなく、結構冷静でいられるのかなという感じです。
エッチってなんだろう
ハッピーメールで、こんな書き込みを見つけました。
『私はこういう出会い方に慣れているという訳ではありません。エッチには興味があるんです。安全ハッピーメールで、優しい人と出会いたいです』
出会いアプリで、女の子もこんな感じで、エッチを求めているんですね。
エッチってなんなのでしょうか。
エッチって、愛や恋のことではありませんよね。
エッチなら、出会い系サイトのセックスフレンドと行きあたりバッタリの体験でできてしまうはずです。
でも、行きあたりバッタリのセックスに任せてしまえば、エッチは無限大に豹変してしまうこともあり、やっぱり愛や恋がなくても、信頼関係は大事だと思っているのです。
彼女のいう、『優しい人と出会いたい』という意味もそういうことでしょう。
私もそう思います。ハッピーメールは、恋愛のない場所なのです。こんな女の子をつかまえて、ぐいぐいセックスの深淵など追求してやろうというモチベーションで頑張っている輩もいるんでしょう。
そんなヤツラと私は違う。
それは、相手と信頼関係で繋がる気持ちを持っているからです。
私は、節度を持ちぐいぐいとは行かない。そんな私を物足りない、セフレとして失格!というレッテルを貼る女性もいるのかもしれないですね。
私は、『コンニチワ 杉本さん ボクは、松本の会社員、コウカイという名前です。年齢は34歳です。コウカイは後悔ではなく、航海です。珍しい名前ですよね。何も取り柄がある訳ではありませんが、ボクは女の子に安心感はもたらすことができると思うのですが。こんなボクで良ければ是非一度会いませんか?』
即返信が来ましたよ。こういうの業者かもしれなということですよね。でも最近の業者は、ぬけぬけと『優しい人と出会いたいです』なんて言い方をしてくるのでしょうか。
即届いた返信もチェックしてみました。『安心感が一番最高ですよね』と。
業者は、コピペを並べる程度しかできないでしょう。私のコメントにいちいち反応して返信をくれているから、業者ではないと言いたいのです。
ハッピーメールは、結構こんな感じで安全に出会うことができる女の子がいるという感じです。私は写メを送り、彼女からも写メが届きました。
写真は風俗などではパネマジなどあり私達を騙すけど、写真ほど真実を語っているものもないと思うのです。じっと時間をかけて見れば写真から真実が見えてきます。
ハッピーメールで、セックスフレンドに頼らなければならないほど、彼女はドブスということではありませんし、なかなか頭の良さそうなマジメなメガネ女子です。
写真の背景は、花火大会でおそらく諏訪湖でしょう。彼女は花火大会で静かな笑みを浮かべています。この写真を写したのは彼氏だったんじゃないかな。彼女は黄色のひまわり柄の浴衣を着ています。
~~このとき彼女は幸せだったのかもしれない。でも、幸せはどっかに行っちゃったのかな……。~~
優しいとはなんだ?
私には、セフレの関係で優しい人物であることが求められているのです。それに答えることで信頼は築かれるはずです。
でも、何をすれば優しいと思われるのか、具体的に私にプランはありませんでした。
彼女が指定した「花時計公園」 で彼女を見たとき、写真のギャップはそれほどないと思いました。私は写真から彼女のこころを読んでいたのかもしれない。写真は嘘もつけるけど、真実もしっかり見抜くことができる手段なのです。
私は、挨拶程度に「大丈夫ですか。ボクで」と言いました。
彼女は「今日は蒸しますね」と。
次に彼女は、私に「今年諏訪湖花火大会行きました?」と聞いて来ました。
彼女、去年までは、彼氏と一緒に行ってたけど今年は別れてしまって、行かなかったということです。
私が、もっと彼女と早く出会うことができたら、諏訪湖花火大会エスコートしていたのかなとふっと思ったけど、所詮セックスフレンドの関係でしょ。セフレの関係では、一緒に仲良く諏訪湖花火大会には行かないかな……。
私達は恋人ではない。
私達はセックスフレンドの関係
私達はしばらく、田川沿いを目的もなく歩いていました。いや、ホテルに気軽に入れる夕闇の時間になるのを待っているのです。お互いが、そろそろセックスしてもいいかなという時間になるまで。
塾帰りの子供が自転車ですれ違って行きます。子供たちは、私達の関係をどう思っているのだろうか。セックスフレンドの関係でも子供には恋人同士に見えるのだろうか……。
子供たちは、無表情の氷のような目をして通過して行きました。彼らは、私達がセックスフレンドであることを知っている……。
いよいよ私達はホテルへ
1時間くらいソコにいたかな、そろそろ日がカゲって来て、近くの民家の灯りがともりました。
幸せの家族の象徴かな。お母さんが、とんとんまな板で大根でも切っているのかもしれない。そこには、確実に愛が存在し、私達にはそれが不足している……。
突然彼女は、その不足を補うような感じで、私に手を繋いで来たのです。彼女は言いました。「そろそろ行くんでしょ」と。
待ち合わせ型デリヘルなんて結構流行っているみたいだけど、待ち合わせの目的は、デリヘル嬢とより仲のいい関係になって、ホテルへ行きましょうというシチュエーションであり、私達も、田川あたりをウロチョロした意味はあったみたいです。
結構、いろいろお話しをしましたもの。信頼関係もしっかり繋ぎ、ホテルに向かうことができます。
優しさが何か具体的に私が理解出来ている訳ではありませんが、信頼関係は、優しさが認められたから成り立っていると思いたいです。
私達は信頼関係のもとお互いを気遣うものの、やっぱりそこには「愛」や「恋」は存在せず、セックスフレンドとして味気なくプレイをし性の処理をして行くのです。
ローソンによって、梅おにぎりと、缶酎ハイと、アイスモナカを買ってホテルに入りました。
ホテルに入り、杉本さんは期待満々窓を開けたけど、そこから何も景色はありませんでした。隣接している建物の壁があるだけ。
私達は何もない景色と向きあい、梅おにぎりと、缶酎ハイと、アイスを食べました。
彼女言ってましたね。今年諏訪湖花火大会が嵐で中止になればいいのに……と思っていたということです。彼女は段々と自分が嫌な人間になっちゃうと嘆いていました。
アイスもなかを半分っこして、私は、「そろそろはじめようか」と言いました。
彼女から手を繋いで来た態度に感謝して、今度は、私からリードしなければならないという思いがありました。
まるで、お見合いではじめて向きあった男と女がセックスするみたいだけど、「そろそろはじめようか」……こんな感じで全然いいと思いますね。
「そろそろはじめようか」と言えば、杉本さんは「ふつつか者ですがよろしくお願いします」と言いました。
もう一度確認しますが、別に私達は、初夜を迎えている訳ではなく、セックスというプレイを楽しもうとしているのです。
つい「こちらこそ行き届かないところもありますがよろしくお願いします」と言ってしまいましたが。